住宅 京都 IH2 2020.01.23

昨年京都市内で計画していた住宅、IH2 を仕事の項目にアップしました。

 

計画自体は残念ながら頓挫してしまったのですが、かなり力を入れた計画だったし、がっちり模型も作ったんでこのまま葬り去るのも忍びない。

 

 

この建物は京都市内の風致地区に建つ予定だった。京都市内の場合、風致地区というのはいわゆる和風建築の形態を保つよう、その地区の住環境を良くしなければいけない、ということに定められている。風致地区にも第1種、2種、3種、また歴史的風土保存とか、景観保全地区だとか、その他いろいろある。

 

今回は風致第3種ということでそこまで厳しくはないものの、敷地境界・道路境界からのセットバックや屋根勾配、色彩など色々細かい規定がある。特に僕頭を悩ませるのが、壁面を90度又は270度で構成すること、というのとキャンティレバー、開口部の形態などの制限などである。

 

まずこの壁面の90度とか270度とかの構成角度だが、要は壁はまっすぐにしなさいよ、斜めの壁はダメですよ、ということである。なので2kwgalleryやK氏のアトリエ、福岡・Xみたいに斜めの壁面を作ってはいけない。キャンティレバーに関しては2階の床やバルコニーなどが柱で支えられていなければいけないので浮遊感や力強さなどを表したい、と思っても別の手を考える必要がある。それから、開口部に関しては、屋根勾配に沿って斜めに開口部を設けたいな・・と思ってもなかなか許してもらえない。そんなこんなで計画を進めていくと、まあ大体自動的に立面は決まっていき、和風建築が出来上がるようになっている。

 

京都市役所の発行している風致の手引書に書いてあるのでまあ仕方がないしそれはそれで悪くないののだが、なんとか他の解釈もないのか、打開できないかと窓口で粘るものの、なかなか良い回答を得られることは少ない。まあそれを踏まえて面白いことをするというのが腕の見せどころではある。

 

結果的には頓挫してしまったので残念ではあるが、そういった制限を何とかかいくぐり、出た回答ではある。「頓挫」というとやや哀愁を帯びてしまうけれども、「アンビルトプロジェクト」って言ってみるとなんだかカラッとして別にいいのかなーという気がするから怖い。

 

IH2

 

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