敷地変更

以前旗竿敷地での計画が始まったと書いた。(過去記事はこちら>>>
 

旗竿の竿の部分の幅は里道をあわせて2mあるかないか。そもそも接道してないので建てるにも建築許可が下りるのかどうか。また、許可が下りたとしても工事の大変さは想像に難くない。
 

この計画を聞いたとき、正直言ってこれは無理ではないか?と考えた。法規的にも、工事をするにも、条件は厳しすぎる。回りも四方を囲まれまったく日が当たらない、隙間、といった言葉がぴったりの土地だ。
 

しかし、このように条件が厳しい場所でもそこに住もうとする強い意志が存在する。
翻って、この旗竿敷地の隙間に触手を伸ばし、街を抱え込む。一気に立場を逆転できるような気がしてきた。
 
役所との交渉の結果いくつかの可能性が提示され、この土地で建築するにあたって一筋の光が見えた。
 
施主から連絡があった。敷地を変えたいとのこと。その土地を見に行くと、まだ田んぼが残っているとてものどかな場所だった。
東側と西側に道路が走っていて、西側は敷地と道路の間に4メートルほどの細長い公園がある。
 

近所の人も皆集まって井戸端会議、といったところで、きちんとしたコミュニティーが存在している。
 
良い敷地である。形も素直で、住環境も良い。さしあたって言うことは無い。これで計画は進んでいくことになりそうである。敷地の条件に左右されているようではいけない、と思いつつ、あの土地も捨てがたかった、と思う。

 

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