庫裏ができるまでの話⑨の続き
2016年7月に行われた寺院見学会を最後に庫裏建築計画も一旦ストップして、滋賀県大津市の2kwgallery、京都市の秋元眼科クリニックと2017年はいくつかの仕事をこなし、2018年は大阪市内で6階建てのビルの計画、2019年は大東市で障碍者グループホームの計画を行うことになって、クライアントや役所と協議を行ったり、グループホームの建設地を探しに行ったりとバタバタしていた。


そんなこんなしていた2019年10月末に、光桂寺から連絡が入った。内容は、10月中旬に開催された検討委員会にて、新庫裏建設計画が再始動することが決定した、というものであった。計画の大筋は元々の計画と大きく変わるものではないが、前回は寺族主体で計画をまとめていたものを今回は検討委員会主体で再度作成した計画概要であった。それをまとめると、下記のようになった。
■必要諸室と概要
・接待所:10名程度の席があること、寺務所とつながっていること、本棚があること
・ホール:20~30名の葬儀ができる大きさ、30~50名の会議、法事の際の食事ができる大きさ
・厨房:30名が同時に調理できる広さ、アイランドキッチン2つ、ホールに直接アクセスできる、休憩所や荷物置き場が必要
・座敷:15名ほど集まって会議を行う、法要の際の着替えもできる14畳を2分割
・講師控室:6~8畳
・・とまずはざっくりとこういうものであった。そこに玄関ホールや寺務所、トイレや廊下などの管理・共有部分、住職が暮らす住居部分も必要になってくるのは前回案と同じだ。
翌11月には副住職と打ち合わせを行い、総代会でも正式に新庫裏計画が再始動することを決定したということで、改めて設計の依頼をいただくことになった。庫裏の老朽化・使いづらさなどを解消したいので、できるだけ早く計画は進めたいが、前回と同じ轍を踏まないよう、総代・世話人との協議を密に行い、各地区から庫裏建設委員を選出し、庫裏建設委員会を通して建築計画をまとめ、門徒さんの理解を深めたうえで、2021年の着工を目指す・・という話になった。
庫裏の建設費のほとんどは懇志金で賄うことになる。前回はこの問題で引っかかってしまい、計画は一旦頓挫してしまった。この段階でも門徒さん1世帯当たりの金額などは未確定であった。そこが確定していないのは正直なところ不安ではあったが、建設計画を進めるということで依頼を受けた以上、こちらとしては進めていくしかない。「この建設案ならば懇志金を出すに値する」と思っていただけるような案になるよう、全力を尽くすしかない。
というわけで、過去の協議資料を引っ張り出してもう一度要望や法規のことなどを確認していく。当時協議を行った福岡県庁や小郡市役所、土木事務所の担当者も移動していたし、こちらも協議内容をかなり忘れてもいたので、改めて最初から協議を行うことになった。
大阪市のビル計画は計画敷地が大規模開発の中に飲み込まれて立ち消えになってしまったが、大東市のグループホームの計画はまだ継続中だったし、南丹市の住居兼アトリエの改修工事をやっていた。そこに来て庫裏計画が再始動ということで、2019年はあわただしく過ぎていった。


