寺院建築の設計プロセス|光桂寺・庫裏ができるまでの話⑧ 2026.05.15

庫裏ができるまでの話⑦の続き

記録を遡ってみると、2016年1月31日に次世代の光桂寺の会へのプレゼンテーションもまあうまくいっったようなので、次は2月26日に行われるという「総代会」にて、庫裏新築計画案を発表することになった。総代会というものを僕は知らなかったのだが、簡単に説明すると総代会とはお寺の住職などの寺族と、総代が集まって開く会合である。

ではその総代とはナンゾヤというと、門徒(=檀家、光桂寺では「門徒」と呼んでいるので以後この呼称)さんの代表・取りまとめ役である。門徒さんは各地区村町ごとでまとめられているので、地区の数だけ総代さんもいることになる。光桂寺の総代さんは10人弱いらっしゃったと思う。総代さんは住職・寺族と協力して、年間行事の運営・決定、建物の維持管理、金銭の監理、会報などの配布、管理費の集金、などなどの職務を行う役職である。また、総代の中で議長、会計、書記などの役職が割り振られており、月に数回集まって総代会という会議を行っている。

・・で、その総代会でこの新しい建設案を僕が説明することになったのだ。前回の次世代の光桂寺の会の会合では計画案はある程度信任されたようではあるが、実際に直接の意見のやり取りしていないので、計画案が良いのか、「庫裏を再建築すること」が良いのか、その辺がちょっとよくわからない。あと一番気になるところは、門徒さんにお願いする寄付額であった。今回の庫裏建設計画は門徒さんからの寄付金で進めていく予定なのだが、予定寄付額を確認したところ、僕はちょっと躊躇するかな‥という金額であったが、設計者が意見を挟むところでもないので、そこは僕に信心が足らないからなのかな・・?ということにしておいて、当日プレゼンするレジュメを整理したりしていた。

で、ついに当日。総代会の少し前に寺族の方と集まって、建物計画の概要、コンセプト、おおよその費用などを話しますね・・ということを打合せ、総代会に臨む。

で、総代会が始まった。総代さんはみな男性で、60歳後半から80歳ぐらいといったところ。7~8人いたような。まずはその日の議題の説明、各総代さんからの報告などがあって、僕の順が回ってきた。皆さんに図面と概要書を配布して、会議机の真ん中に模型を置いて、計画内容の説明を始めた。なんか変な雰囲気がするなという気がしたのだが、そのまま進めて大体10分か15分ほど話をしたと思う。総代さんと寺族だけで話し合いたいとのことで、僕は席を外すことに。

近所を散歩する。

まだ肌寒いが京都に比べると春の訪れが早いようだ。

小一時間ほど経って、総代会が終わったという電話をいただいてお寺に戻ると、住職・副住職から、庫裏建設計画はひとまず仕切り直しということになったとの報告を受ける。この庫裏建て替え計画は青天の霹靂のごとく始まったものであったので、一旦ペースダウン・クールダウン。これはこれで良かったと思う。

これ以降、光桂寺では次世代の光桂寺の会の活性化、建設委員会の立ち上げ、他の寺院の庫裏見学ツアーを行うなど、門徒さんとお寺の協働・共通理解を深めながら庫裏計画を進めていこう、というアプローチが鮮明になった。この後もいろいろあったわけだけれども、この日の総代会は明らかにターニングポイントであり、庫裏の竣工につながったのではないかと思っている。

へ続く

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