京都市・M

京都市 傾斜地に建つ地下車庫のある木造住宅

京都市内に建つ鉄筋コンクリート・木造混構造の専用住宅の計画案。

計画敷地は山裾からなだらかにつながる傾斜地に位置しており、西側接道で間口11m、奥行き23mの矩形で、道路面と高い方の敷地面には1.8mほどの高低差がある。この高低差を利用して道路レベルに鉄筋コンクリート造の車庫、その上に2層の木造住居部を載せる、というのがこの住宅の基本的な構成である。

クライアントご夫婦は児童文学の研究者で、多くの書物を所有している。よって、ご夫婦それぞれに書斎とその蔵書を収める書庫があること、また今後年齢を重ねて行くことを見越して、バリアフリーのプランであることも求められた。

書庫には可動書架を、書斎の壁面に本棚を作り付けることで蔵書に対応している。また、書斎にはご夫婦の友人も訪れることもあるので、この2つのパブリックな居室は玄関に近い西側にまとめた。居間や食堂、寝室などのプライベートな居室は中庭を挟んで東側に配置している。

また、階段による上下動を最小限にとどめるべく、主な居室は1階に集約し、2階は個室2室のみとなっているる。敷地に高低差があるため玄関・車庫から1階に至る階段昇降は仕方がないが、将来必要となればエレベーターを設置できるように構造計画されている。北側斜線制限に掛からないよう建物の高さをできるだけ抑える必要もあったが、結果的に2階に上がる階段が緩やかになり、北隣の住宅への日影の影響・圧迫感も少なくなっている。

中庭を「書庫・書斎」のパブリックなブロックと、「居間・食堂・寝室など」のプライベートなブロックの間に挟むことで、2つのブロックは適度な距離を保ちながらも内外の空間が連続するようになっている。開口部の多い開放的な空間が求められたが、中庭に面する側に大きな開口を集中させ、書庫と書斎は蔵書を守るために西側の外壁には一切開口部を設けず、断熱層・構造壁という性能のみを有する壁面という扱いにした。結果西面は寡黙で巨大な壁面となったが、建築としての性能を確保するとともに、周辺の住宅とは異なる風貌になるよう計画している。

京都の建築設計事務所が設計した地下車庫のある住宅 模型写真京都市の傾斜地に建つRC・木造混構造の注文住宅

竣工予定:2027年
構造・規模:鉄筋コンクリート・木造混構造 地下1階地上2階建
延床面積:175㎡