大阪市住之江区に建つ眼科クリニックの新築設計事例。
敷地は古い木造住宅、商店、雑居ビルなどの建ち並ぶ雑多な街並みを貫く交通量の多い道路沿いに位置している。そのような地域・雰囲気・街の中で「悪目立ちすることのないような建物にしたい」というのがクライアントの要望の一つであった。その要望を満たしながらも、その中で埋没することなく、周辺と異なった様相を持つ建物にすることが設計を行う上でのテーマの一つとなった。
患者用の駐車スペースは敷地外に設け、建蔽率の許す限り建物の平面を大きくして、待合室・診察室・明室検査室・暗室検査室・手術室やリカバリー室など、すべての診療スペースを1階に収めている。それら各室をつなぐ患者動線を最小限にしながら、スタッフ出入口・手術準備室・診察室への通路などの整理を行い、患者動線と管理動線の効率化を図っている。
2階はコンパクトとながらも接客ができる広さを持つ院長室、採光・通風を確保し、快適に過ごすことができるスタッフルームと更衣室、室外機を置くためのテラスなどで構成されている。その2階部分を道路からセットバックさせることで道路側から感じられる建物のボリュームを小さく抑えるとともに、住宅が密集・交通量が多いという大阪市内の敷地条件の中で、スタッフ空間の居住性も確保した。また、1階部分の待合室の大きなガラス面と暗室検査室が納まっている無窓の大きな壁面を対比させるなど、周辺の街並みとは異なるボリューム、静謐な雰囲気・佇まいを持つ眼科クリニックとなることを目指した。そのような建物の姿が院長先生の人柄、診療体制を表し、患者への安心感・信頼感へ繋がるのではないかと考えている。
竣工:2022年
構造・規模:木造在来軸組み構法 2階建て
延床面積:343.03㎡
サイン計画:Poe’
構造設計:エス・キューブ・アソシエイツ
施工:エム・オー・メディカル
写真:塔本研作建築設計事務所






