京都市内に建つ、鉄骨造2階建ての事務所ビルを眼科クリニックにコンバージョン(用途変更)した設計事例。
既存建物は1階が倉庫、2階は事務所という構成であった。1階正面にあった玄関ドアはそのまま管理部門の入り口として使用し、荷物の搬出入のためのシャッター部分を患者・利用者の動線に充てた。
1階は受付・待合室・エレベーター・患者用トイレ・明室検査室・暗室検査室・2つの診察室・管理用のバックヤード、2階は手術前の待合室・手術室・手術後のリカバリー室・手術準備室・院長室・スタッフルーム、という構成になっている。既存建物のコンバージョン(用途変更)ということで、限られた面積・形状・空間の中で、患者動線、スタッフ動線、診察部門と管理部門をどう擦り合わせるかが、計画のポイントであった。また、既存建物の鉄骨構造を変更することなくエレベーターの設置をする必要もあり、構造強度などの検討も行った。
建物全体の雰囲気に関してはクライアントから、木質の落ち着いた感じにしたいとの要望があったので、外部は建物正面エントランス部分の壁面は杉板を張り、木製のスロープを通って、訪れる人をやさしく向かい入れるような雰囲気に、また内部待合室の壁や家具には不燃処理が施されたタモの面材などで、落ち着いた雰囲気に仕上げている。また、院長・クリニックのスタッフが日々フレッシュな気持ちで診療に取り組めるよう、院長室・スタッフ控室などの環境の充実も求められたため、できるだけ採光や通風を確保し、リラックスできる空間になることを目指した。
また、いかにも「事務所ビル」という雰囲気を醸し出していた正面の庇を隠すため、屋根から庇先端にかけて、斜めにルーバーを掛けている。この面は西側なので午後からの西陽を遮る機能を持たせているが、既存建物の印象をがらりと変え、小さいながらも街のランドマークになるよう計画した。格子の室内側は手術待合室と院長室になっていて、ルーバーを介することで、西陽の直射と外部からの視線を避けることができ、室内は落ち着いて過ごすことができる環境になっている。夜間は格子内側からライトアップするて、格子から漏れる光によって街の明かりとしても機能するよう計画を行った。
竣工:2018年
構造・規模:鉄骨造2階建て
延床面積:424.97㎡
施工:竹内工務店
写真:塔本研作建築設計事務所









改装前


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