K氏のアトリエ

京都府八幡市に建つ画家夫婦のためのアトリエ付き小住宅。夫婦は60代で、できるだけローコストで、最大限の制作スペースに最低限の居住部分の住居、という要望であった。

高齢ということで居住部分は1階に計画したいところではあったが、住宅が建て込んでいる地域のため採光や通風があまり期待できないのと、駐車場への作品の移動のしやすさも考えて1階をアトリエに、2階を居住部分という計画に収まった。アトリエの天井高さを確保しつつ2階への階段はできるだけ緩やかにするために、1階床は基礎コンクリートをそのまま仕上げとして全体の高さを抑え、天井も梁などの構造をそのまま表しにしている。

2階は台所、居間・食堂、和室(寝室)、水回りをコンパクトにまとめているが、居間・食堂にはこの小住宅にしては過剰な天井高さを与え、その頂部にはトップライトを設けた。外観はただの小住宅ではなく、この住宅には芸術を作り出す人間が住んでいることを表し、その内部ではトップライトからの光が室内を満たしている。

竣工:2010年
構造・規模:木造在来軸組み工法 2階建て
延床面積:89.22㎡
施工:三和工務店
写真:平井美行写真事務所

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Archdaily