福岡県小郡市に建つ、夫婦と二人の子供たちのための住宅。敷地は新旧の住宅地が切り替わるちょうど境目に位置している。北隣は大きな畑で、その向こうには昔ながらの住宅地が続いていた。
そんな風景をバックに彫刻のような建物がポツンと建っている様を思い描きながら設計を進めた。建物の構成は採光・通風などの面から東西に長いプランで南側に開いた片流れ屋根、と単純なものにした。
大きくはねだした庇には寺院建築の持つおおらかさや力強い姿を重ねた。クライアントのご主人はお坊さんで、保育園の先生でもあり、クラブDJ もやっている。そんなこともあってこの家にはいろんな人が訪ねてくるので、簡単な接客ができるように玄関土間の横には小さな和室を配している。
居間には寺院の内陣を模した大きな吹き抜けとトップライトを与え、聖なる空間としての性格を見ることができるのだが、実際はここでソファでくつろぎながらテレビを見たり、壁面に収納されているDJブースでレコードを回したりするわけで、聖俗入り混じる場所になるよう計画されている。
階段を上がるとこの天井は反転し、巨大な四角錐の塊として現れる。この塊と静寂が支配する空間が、この住宅の核となっている。
竣工:2012年
構造・規模:木造在来軸組み工法 2階建て
延床面積:163.17㎡
施工:大藪組
写真:塔本研作建築設計事務所






















