大阪市・福祉施設 設計事例|コスモス

マンションの1階を障碍者福祉施設に改築。

大阪市内のマンションの1階部分を福祉施設にコンバージョンしたもの。知的障碍者・精神障碍者が利用する生活介護事業所である。

元々コスモスはこの近くにある、奥まった道路に面した古い2階建て木造長屋で運営していた。施設は1階が作業所と水回り、2階が事務スペースと更衣室というものであった。1階の開口部は1間幅の入り口だけで、採光・通風が確保できておらず、トイレなどの設備も一般住宅と同じもので、バリアフリーにも対応していなかった。また建物の耐震性も低かったので、それらを解消するために新たな施設を準備することになった。

新築なのか、リノベーションなのか、まだ定かではなかったが、土地も含めて物件探しから関わることになった。探し始めてから1年ほどかかったが、うまい具合に元の施設の近所で、さらに駅からのアクセスも良いマンション1階が空いており、そこを使えることとなった。

多少車の通りは多いものの、通勤・通学路にもなっていて人通りも多い。前の施設はあまり人の気配のないところで作業を行っていたが、今回は施設内でどのような人が何をやっているのかがよく見せた方が良いのではないかということで、シャッターだった部分はすべて開口部とした。

とはいえ丸見えになるとそれはそれで落ち着かないので、内外の人の視線が直接交わらないよう、玄関と作業スペースの間に商品棚を配置している。この施設ではプラスチックケースの袋詰めなどの軽作業を主に行っているが、野菜や果物、海産物などの食品の販売も行っており、リピーターも増えているということだ。

開口部も少なく、屋内で何が行われているのか窺い知ることのできない施設も多々ある。それはそれそれで事情があってそのような形態をとったのかもしれないが、このコスモスという小さな施設はうまい具合に街の中に溶け込んでいっているのではないかと考えている。

竣工:2015年
延床面積:98.15㎡
施工:コアー建築工房
写真:塔本研作建築設計事務所

コスモス

入居後の様子

梅干しや梅酒、はちみつ、ミカンや季節の野菜などを販売している。購入者のリピーターも増えてきている。 商品棚のある玄関から作業スペースを見る。道路に面しているので、作業スペースが丸見えになると落ち着かない。その視線を遮るために商品棚を配置している。 花壇、ベンチのついたスロープ。

最終案模型

 

工事前

工事前。半分は事務所、もう半分は倉庫として使われていた。

工事前の様子。半分は事務所、もう半分は倉庫として使われていた。