「風呂と便所が描けたら一人前」という古い言葉がある。設計をやっている人なら聞いたことがあるかもしれない。僕もよく言われたものでなかなか含蓄のある言葉だなと思う。
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日本の住宅の風呂なんてせいぜい1坪か広くても2坪程度。その中に快適性や機能性はもちろん、防水のことや後々のメンテナンスのことや防犯のことやら、とにかくいろんなことを盛り込む必要がある。
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そういうことをクリアしてこそ設計者として一人前、といったところだと思う。今では便利な製品やいろんな防水材などがあるが、この言葉が生まれた当時の設計者の努力というのは相当のものだったと思う。
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なんてことを考えながら福岡の住宅の浴室の詳細図を描いてみる。
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一人前かどうかは知りませんがよろしいのではないのかしらん。