旗竿敷地・役所でドストエフスキー

 
大阪府内にある旗竿敷地での計画が始まった。
 
竿の部分が1mを切っているので敷地は本当に旗竿を描いている。道路への接道はもちろん成立していない。
再建築不可、と言われる土地だ。
 

一縷の望みは竿の部分が里道に沿っている,ということである。
 

それが突破口になるであろうと以前にも役所を訪れたが、あっさり不可と言い渡され、取り付く島もなかった。
よって今回は以前よりまして理論なりへ理屈なりを用意して行ったわけである。
 

法令集やらメモやらを片手にこちらの論を述べると、前回と違う担当の人は「どうやったら建築することができるか、という方向で考えて行きましょう。」と言ってくれた。
 

至極まっとうな意見である。
 

ここ数年、役所の対応は確実に良い方向に変わってきている。その人はその後も各部署に付いて来てくれた。ただ、その人も勤続10年以上、と言った風である。もちろんその人がとても良い人であることには違いないのだが、トップが替わるとここまで変わるのかとつくづく思う。
 

僕は役所に行く度にドストエフスキーの「地下室の手記」の冒頭をぼんやりと思い出すのだが、今日は思い出さなかった。
 
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