餓鬼の舎/渡辺豊和自邸に行ってみた 2011.7.27

いつか行かねば、と思っていたもののなかなか決心がつかなかったのですが、先日ふと、今だ!と思い、
行ってきました「餓鬼の舎」。この恐るべき建築は僕の大学時代の恩師である渡辺豊和先生の自邸なのだ。
 
例によって電車を間違えてしまったため、思っていたより少し送れて指定の駅に着いた。
古い農家が並ぶのどかな道をてくてく歩き、住宅地の端っこに、それはあった。
 

 
道路側から見えるこの住宅は母屋ということになるのか、渡辺先生RIA在籍時に建てた小住宅。
数年後この住宅の隣に物置を作る予定だったらしいが最終的に敷地の残りの部分にコンクリートでL字平面で
この「餓鬼の舎」を作り上げたとのこと。
 
正面玄関のでチャイムを押すと渡辺豊和先生登場。
オジャマシマスの挨拶もそこそこに渡辺先生とにかくこっちへ来いと母屋と餓鬼の舎をつなぐ扉を開き暗闇に消えていった。僕もはいはいと中に足を踏み入れようとすると、急に暗がりに入っていったのでうまく視界が順応できない。闇の世界にはいっていく妙な緊張感と高揚感。
 
階段に気をつけながら、ここだ、と言われたところを見上げると、ここだ。 
 

 
10m近い吹き抜けを貫く円柱と天光。「あとはテキトーに見てろよ!」と言ってくださったのでお言葉に甘えてぐるぐる見学。
 

 

 
それにしても、一応図面は見てある程度把握してきたつもりだったし、なんだかんだ言ってもL字プランの小住宅でしょ、と思っていたのですが。こんなに複雑な空間ができてしまうなんて、しかも心理的に(という言い方をするのかよくわかりませんが)迷ってしまった。
大きさだって限られているのでやれることだって限られるわけだが、あああ、このように無限を作り出すことは可能なんだな・・と思ったわけです。
 
で、東側に出るとこのように餓鬼の舎の姿があらわになる。
 

 
先ほどの西側とは全く異なる様相。普通の住宅地に聳え立つ圧倒的なコンクリートの壁面。
横並びなら眼球と認識できるが縦並びのためそのように認識することもできず、違った方向に成長してしまった奇妙な生き物を見ているような見るものを不安にさせる丸窓。
同一の敷地に2つの全く異なる建物が存在するということが摩訶不思議さを煽ります。
 

 

 
じっくり拝見させていただき、あとはお酒を飲みつつありがたかったり面白かったり耳が痛かったりするお話をしていただいて、辞する。全く未知の体験ができた。今日来てよかった。 

僕の技術ではうまく撮影できなかったというのもあるのですが、特にこの建築は体験してみないとわからないな、ということで内部の写真はちと少ないです。
 
それから、こんなのも見て来た。
 

 
発掘された土器の紋様にあったものを復元したそうです。なんというか、れれれのれって感じです。(なんとなく)
 

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